菜月の居ない世界で

次女 菜月の自死からの記録 菜月の居ない世界

隔離最終日

<2020年10月22日(木)>


今日は天気は良いが、肌寒い日だ。
菜月と一緒にHotelを出る。”何処に行く”菜月に問いかけても何も思いつかない。
目的も無くぶらぶら歩く。
あ、そうだ蕎麦を食べに行こう。

毎年、初詣の時に”らっせみさと”で蕎麦をたべた。
菜月も一緒だった。毎年恒例の伊藤家の行事だ。
途中で、大洞団地に寄った。菜月は3~4歳まで過ごした団地だ。
住んでいた部屋には別の方が住んでいる様だ。向かいの三宅さんはまだ住んでいる。
菜月の事は覚えているかな?会ったら泣いてしまいそうだ。
一回り見て回った。菜月との思い出としては思い出す事は出来なかった。
らっせみさとで、かけそばを注文した。

菜月は暖かいそばが好きだったと記憶していた。
菜月を机において、一緒に食べようねと言いながら食べた。
もう二度と家族4人で来る事は出来ないと思ったら涙が出てきた。
今日は体調が悪い。何か熱っぽい。
早々にHotelに戻り今日は休もう。明日は自宅に戻る日だ。
菜月の部屋を見て平常心で居られるだろうか。