菜月の居ない世界で

次女 菜月の自死からの記録 菜月の居ない世界

決断

<2020年10月12日(月)> 

昨日までは帰国者であり、Covid-19感染の警戒から駐車場に待機と言われ
迎えの方の監視の下で病院に入ったが、今日はICUまで勝手に来る様に言われた。
ICUに入るには看護師の付き添いは必要である。
手袋をして入室する。今日で3回目の面会だ。今日は菜月の左側に立つ。
相変わらず寝ている様だ、
眼球の事があったので、そっと瞼を開けてみた。
看護師の方が瞳孔が開いてますから。と一言。
菜月は顔の方向。天井を見ている。

瞳孔が大きく、周りの茶色い部分と同化して以前より眼が小さく感じた。

菜月!こっちを見て!
菜月を考えると悲しく、苦しい。
謝っても誤っても後悔が溢れる。もっと優しく出来なかったのか。
ちっちゃな事で怒り。菜月を泣かせた事ばかり思い出す。
こんなに悲しく、苦しいのに 食事をして 眠る。

いっそ死にたいと思ってもその勇気さえない。
今の自分と比較してもどれ程の絶望が菜月に降りかかったのだろう。
菜月にはもう残された時間は無い。
明日、きっと菜月は死ぬ。医学的に死んだとされる。

しかし心臓を止めるのは私たちの判断だ。
このまま、心臓が止まるまで動かす事は出来る。
私たちは愛する我が子を殺すのだろうか?
誰か教えてください。