菜月の居ない世界で

次女 菜月の自死からの記録 菜月の居ない世界

菜月に会えた日

<2021年3月1日(月)>

 

最近夢を見ていない。

以前より、家族の夢を見ても光美が出て来るだけで、菜月の夢など記憶が無い。

見ているかもしれないけど、全く記憶に残ってない。

菜月が逝ってしまってから、夢でも良いから会いたいと、

菜月の遺骨に話しかけていたが、見ることが叶わなかった。

しかし、願いが叶い今朝、菜月に会うことが出来た。

 

夢の設定?は本当に下らない話から記憶に残ってる。

大雑把に書くと、

光美が会社の人間複数と不倫をした挙句、妊娠したと言った内容で、

怒りに震えながら、家の中を整理している所に、光美が帰ってきた。

詰寄ると「私妊娠してるから」「誰の子だ?」「それが解らないのよ」

この様な会話をして、怒りが抑えられないと思ったときに、

不意に入り口を見ると、菜月が立っていた。

光美の事など無かったかの様に

私は直ぐに菜月を呼んだ。

「菜月、ちょっとこっちに来て」

菜月は、何時もの口調で「なに~」と言いながら近くに来た

私は菜月の両手を掴んで必死に伝えた。

「俺、菜月の事本当に愛してるから」

「菜月の事、大切に思ってるから」

菜月は少し、迷惑そうな表情を浮かべながら、

「わかっとるは~」と確かに返事をしてくれた。

その時、菜月の手の温もりを確かに感じていた気がする。

そこで、目が覚めてしまった。

時間は4時10分頃だったと思う。

 

菜月の夢が見れた嬉しさと、菜月の手に触れた感触は確かに会った。

だけど、現実は夢であった事の絶望なのか。

暫く声を上げて泣いてしまった。

でも、今まで菜月に言えなかった気持ちを正面から伝えれた。

たとえ夢でもその事は素直に嬉しい。

又、菜月に会いたい。もっと色々話したい。

菜月。君の事を愛してます。

 

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